■栄養価
スイカ果汁の4~6%が糖分で、栄養価としてはビタミンA(カロテン)、B1、B2、Cのほか、カルシウム、リン、鉄、カリウム等のミネラル類、グルタミン酸やアルギニン酸など、多くの成分をバランス良く含んでいます。果糖やブドウ糖はエネルギー転換が速やかなので、夏の暑さで疲れた身体を癒すにはピッタリといえます。
■植物的特長
スイカの栽培では、芽生えてすぐに茎をユウガオ(かんぴょう)やカボチャの苗に接木をするのが一般的です。これは、ユウガオやカボチャがスイカの病害のつる割れ病に強い為です。いわば、地上部だけがスイカで、根はまったく別の植物というわけなのです。
■スイカの模様はいつできる?
スイカの縞模様は、じつは小さい実の時からあります。縞模様は最初は薄く、大きく成長するにつれて、だんだん濃くなってきます。
■種なしスイカを見ない理由
植物性ホルモンを使って、日本で品質のよい種なしスイカの誕生に成功したのは、戦後まもない昭和22年のこと。とはいえ、栽培に手間がかかり、「種がないとスイカを食べた気がしない」という消費者の心理も大勢を占め、種なしのスイカは普及していなかったのです。しかし近年、顧客のニーズも変わり、食べやすさから種無しスイカも再び注目されています。
■種だけを食べる国もある
日本ではスイカの種を食べる習慣はありませんが、世界的にみれば、これはむしろ不思議なことで、古代エジプトでのスイカ栽培も、むしろ種を食べるためだったという説があるほどです。スイカの種にはリノール酸やタンパク質、ビタミンBやEが豊富に含まれていて、栄養たっぷりなのです。お隣の中国でもスイカの種は菓子として珍重され、わざわざ種の大きい品種が作られているほどです。
■保存方法
カットしたものは、鮮度が落ちやすいので、購入後はなるべく早く召し上がって下さい。やむなく保存する場合は冷蔵庫へ入れて保存して下さい。
■由来と栽培の変遷
原産地は南アフリカのカラハリ砂漠とする説が最も有力で、4000年まえにはすでにエジプトで栽培され、種を食料に、砂漠地帯では水代わりの飲料として珍重されました。英語では「ウォーターメロン」、江戸時代には「水瓜」とも書かれ、日本では中国で西域から伝わった瓜の意で「西瓜」と書かれるようになりました。
昭和期戦前から「三河すいか」産地の一つとして、渥美郡高師村(現在の高師・天伯地区)で栽培が盛んになりましたが戦争による食糧難から一時は栽培が禁止されました。その後食糧事情の回復で再び産地化が進み、豊橋では旧陸軍用地である高師ヶ原を中心に栽培が行われました。
昭和30年代~40年代にかけてビニールハウス、トンネル、マルチの普及により現在の様な早期収穫の作型が分化しました。また、接ぎ木技術の導入により、安定した栽培が可能となりました。
主に一番果のみ収穫する作型で、品質や食味を重視した栽培、選別が行われています。